二十四節氣『白露』

ゑなの結
ヤッホー。日本の暦・二十四節気(にじゅうしせっき)とともに、恵那山麓からお届けしているfree paperです。春夏秋冬をさらに六つにわけ、二十四の季節を感じることは多忙な時代のスロウでヒトヤスミな時間。
そしてほとんどの人が農民だった時代のコミュニティは結といわれ、人々はお互いに労力を交換して助け合ってきた背景があります。恵那山を崇拝の対象としていた旧恵那郡を『ゑな』とし、令和の結って何だろう?と発信しています。

白露 はくろ

恵那山麓では白露の時期になると、朝晩が涼しくなり、寒いと感じることも。そして草花や木々に朝露が宿ります。白露は、夏の暑さが和らいで空気が冷えることで発生します。一晩で消えてしまい、命のはかなさや、移ろいやすさをあらわしています。人間の感情や運命にも重ねられ、白露のような涙と表現することもあり、日本人の心に深く根付いた言葉です。

朝の散歩は輝く水滴がキラキラとして、秋の訪れを感じさせる風景が広がっています。そして同時にはかなさや哀愁も感じさせるのです。秋の季節を象徴するだけでなく、人間の感情や生き方にも関わる言葉です。白露を見るときには、自分の心や人生にも思いを馳せてみるのもいいかもしれません。

発酵唐辛子

恵那山麓では、稲刈り、さつまいもの収穫、梨やぶどう狩りもはじまっています。そして九月は着物の世界でも、夏の透ける生地から、単衣(ひとえ)へと変わる衣替えの時期。まだまだ暑い日が続きながらも、実りの秋の収穫から私たちの体も、秋の準備へと変化するのかもしれません。

今年の立春のころ、中津川市の加子母地区の「麹室(こうじむろ)」で「製麹(せいぎく)」を体験しました。その時の麹を使用した発酵唐辛子の仕込みを見学できると聞き、中津川の【もりのいえ】を訪ねました。この作業は、唐辛子が赤くなり、さらに日中がまだ暑くなるこの時期にしか行われません。

まずは、赤くなった唐辛子をていねいに収穫します。この赤を私は秋の色だと感じます。幼い頃から見慣れた風景で、肌寒くなると取り忘れたピーマンやしし唐などが赤くなる記憶が残っているのだと思います。

次に、かごいっぱいに収穫した唐辛子と、麹が甕に入ったとき、それはまるで日本の国旗のような美しさを感じました。そして手作りの醤油を加えます。土に埋められた甕に、すべてを入れたら蓋をして発酵させるのです。

発酵はずっと昔から、人類が利用してきた生活に根ざした技術です。令和の今でもこのように丁寧な手仕事ができることに喜びを感じます。微生物が生み出す驚くべき変化を、未来にも繋げていけたらいいなと思いました。しばらく甕の中の発酵に思いを馳せるのだと思います。

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