ヤッホー!!編集者の水野琴美です。一年で最も寒い時期に春を取り入れるのがたまらなく好きです。これから咲く水仙や福寿草が描かれた塩瀬の帯もしびれます。そして何やら発酵、発酵と聞こえてくる今日この頃。なんと!!今年の全国発酵食品サミットは恵那で開催されます。【全国発酵食品サミットinえな】はどんなサミットになるのでしょうか。そして私の挑戦している藍の発酵も気になるところです。
恵那・中津川の大寒
大寒とは、大きく寒いと書くことからも一年でいちばん寒さが厳しくなる頃。小寒から立春までの30日間を「寒の内」といい、大寒はそのまん中にあたります。沢の水が凍り、氷のさまが自然のアート。氷のアートはこの時期だけというのが醍醐味でもあります。風が冷たく吹き、頬がキンと痛く「寒い」とつい言葉にしてしまうそんな時期です。
農閑期といわれる時期ではありますが、「寒起こし」といって土を掘り起こし、寒にさらして通気性の良い土にすることを習ったので今年は挑戦したいと思います。着物も「寒干し」といって、厳寒の時期になると着物に風を通す習慣があります。昔ながらの知恵や工夫はこれからも生活に取り込んでいきたいと思っています。
さて、今年はどこも暖かいと聞きますが、恵那・中津川も比較的暖かい冬を過ごしています。大寒を目前にして雨が降り、霧が出ました。「冬霧」という言葉もありますが、私としては雪が降って欲しかったなぁ、といのが本音です。人々は大寒の雪化粧を望んでいるのではないでしょうか。
山岡町の糸寒天
寒の内の間に汲んだ水のことを「寒の水」といいます。この時期の水は、雑菌が少なく体にも良いといわれます。また「寒仕込み」といって、寒気を利用した食べ物の寒天、酒、味噌などを仕込むのに最もよい時期とされます。「寒の水」で作られた味噌、醤油、酒は腐らないといわれてきました。
そして冬の風物詩、80年の歴史がある糸寒天作りを見学させてもらいました。車から降りると磯の香りがします。これが天草の香りです。木や竹で作られた有機的な作業場は垂直、平行に設置されていて美しいです。よしずの上に突き出された糸寒天は、湯気がたちのぼり、乾いてない細寒天は白茶色なので湯気がより白く見えます。朝の作業中に「トンッ カンッ」と響く音が寒さを助長しているようでした。糸寒天は凍結と乾燥を繰り返すことにより、水分が抜けていきます。二月下旬頃、気温が上がり凍らなくなったら終わる仕事だそうです。それは自然との対話であり、ゆだねるしかない作業なのです。
先日までは「雪の降る大寒」が良かったと思っていましたが、二十四節気も自然との対話。自然にゆだねればいいと思える帰路となりました。
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