二十四節氣『小雪』

ゑなの結
ヤッホー。日本の暦・二十四節気(にじゅうしせっき)とともに、恵那山麓からお届けしているfree paperです。春夏秋冬をさらに六つにわけ、二十四の季節を感じることは多忙な時代のスロウでヒトヤスミな時間。
そしてほとんどの人が農民だった時代のコミュニティは結といわれ、人々はお互いに労力を交換して助け合ってきた背景があります。恵那山を崇拝の対象としていた旧恵那郡を『ゑな』とし、令和の結って何だろう?と発信しています。

小雪 しょうせつ

『小雪』は雪が降り始める頃。恵那山麓の初雪は毎年もう少し先でしたが、今年は暦の通りに初雪を観測しました。この時期になると窓の外に白い結晶が舞っているのを待ち望む人々がいると思います。雪が降るというよりは、空からふわりと落ちてくる雪は幻想的で美しく感じます。初雪は、冬の始まりを静かに告げてくれます。

『小雪』には、雪が少しだけ降るという意味もあります。その少しの雪が、私たちの心に大きな影響を与えます。雪が降ると、何だかワクワクしたり、幸せな気持ちになったりしませんか?子どもたちが、雪はゆっくり降りてくると言っていました。雪は、不思議な力を持っているのかもしれません。

雪は白く清らかなイメージがあるだけでなく、大雪が降った年の春は、雪解け水が豊富に出るため豊作になるといわれます。恵那山麓での農は、雪とも紐づいているのです。

早雪 そうせつ

例年よりも初雪が早く降れば早雪(そうせつ)といわれます。また、『立冬』から『小雪』の前までの期間に降る雪のことも表すのだとか。早雪は冬の訪れを告げるものとして、古くから日本人に親しまれてきました。古典文学や俳句などの文芸作品によく登場します。どこか哀愁感がただよい、詩的に表現されます。

着物の文様にも雪のモチーフが多くあります。「雪輪」や「雪花」などのデザインされた雪の文様は、冬の季節感を表す愛される文様です。雪は豊穣、豊作を象徴する柄なので吉祥文様とよばれます。また、夏にも涼しさを表す文様として使われます。暑い夏に雪の冷たさを感じさせ、涼をとる文様です。相手への気持ちをおもんばかる日本らしい感性だと思います。

冬の風情を楽しむ雪の表現も日本語には多くあります。私の暮らす地域は「細雪」でしたが、同じ市内でも「綿雪」が降ったところもあったようです。ふわふわちぎった綿のように大きな雪片でできている雪で、重みがあります。比較的暖かくて、降水量が多いところに降るようです。

雪が舞う風景や紅葉の美しさ、旬の食べ物やイベントなど、楽しめることがたくさんあります。今年は好きな雪の名前を覚えるのはいかがでしょうか。

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