清明 せいめい
清明とは空気が澄んで、光は明るく万物を照らし清らかで生き生きとした時期。花が咲きわたり、蝶が舞い、空も澄み、風が光るのを感じます。
蝋梅や梅、こぶしや木蓮が終わり、こぼれ桜の時期となりました。花の移ろいとともに香りも移ろいます。蜜蜂が花の蜜を集め、ブーンと羽根をならしながら花から花へと移る。野鳥のさえずりもいくつか聞き分けられるようになり、蛙の合唱と春を耕す鍬の音、山水のシズル音とセッションするのです。
背中を丸めて寒さを耐えたすこし前が懐かしいほど。せっかく出したスプリングコートも腕にかけるだけの暖かい日もあるぐらいです。川沿いの桜並木を歩く親子も、学生服と桜の花びらも、フォトジェニック。清く明るいと表すこの時期は、まるで世界中もそうなのではないかと思う瞬間に満ちています。
長多喜
石垣と竹穂垣、ひらひらと舞う桜の花びらに歓迎され、坂を上ると長多喜はあります。二年前の同じころ、花笑むこの場所に花錦の記憶が残っておりまたやってきました。
しだれ桜、ソメイヨシノ、ヤマザクラが順番に咲いています。足元は緑の絨毯が敷かれ、イカリソウ、ミツバ、ワラビも自生し多様な生命のあり方を教えてくれます。
手入れされたお庭にはカタクリの花が咲き、少し視線を上げるとツツジが。その先には恵那山が。これを山紫水明というのでしょうか。
ここ、長多喜では歌碑や句碑が建っています。短歌は31音、俳句は17音から出来ていると、記憶のどこかにはありますがもちろん読めない私に亭主が何度も何度も教えて下さいました。ここでは多くの著名な人々が四季折々の美しさを詠い、景色を詠んだのです。
この辺りでは“お笠置晴れて恵那曇り” という土地の言葉があるんだとか。恵那山に雲がかかっていても笠置山が晴れていれば明日は晴れるといわれているそうです。和歌山牧水が詠った発句にある“恵那ぐもり”という表現、いつかどこかで使ってみたいものです。
恵那山も笠置山も二つの山が拝めるこの場所は、長い時を経て、多くの人々が季節の喜びを詠った場所。これからの未来もあまたの人々が訪れ、その感動は時代に合ったかたちで伝わるのだと思います。
明日も晴れそうな長多喜より感謝をこめて。
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