ヤッホー!!日本の暦・二十四節気(にじゅうしせっき)とともに、恵那山麓からお届けしています。春夏秋冬をさらに6つにわけ、24の季節を感じることは多忙な時代のスロウでヒトヤスミな時間。 そしてほとんどの人が農民だった時代のコミュニティは結といわれ、人々はお互いに労力を交換して助け合ってきた背景があります。恵那山を崇拝の対象としていた旧恵那郡を『ゑな』とし、ヒト・モノ・コトと繋がりながら令和の結って何だろう?と考えます。
芒種 ぼうしゅ
芒種(ぼうしゅ)の芒は、稲の穂先にある針のような突起を芒(のぎ)ということからきており、稲のように穂の出る植物の種を蒔く頃といわれます。恵那山麓ではもう田植えがはじまっていて少し時期も変化していますね。この頃から紫陽花や桔梗が美しく映え、雨空も増えていきます。恵那山麓も梅雨入りしました。
先日の雨の日、午前中にこども園の読み聞かせに参加させてもらい、雨と傘の本を読みました。子ども達に傘の色は何色か聞くと大きな声で嬉しそうに答えてくれたのがとても印象的でした。それからその日の午後は大雨警報が出て、雨が滝のようにざばんざばんと音をたてて降りました。当たり前で知っていたつもりでも、雨が高いところから低いところへ流れるさまを見ると、地面が平らでないことを知ります。水はけが良くない場所には水が溜まっています。川は、ながれる濁った水がごうごうと勢いよく流れていました。子どもたちの傘の色を聞いた雨の音と、午後の雨は全然違いました。日本語に雨の単語が多いわけです。豪雨のことを、古い言葉で滝落としというそうです。
田植え
初夏になると今までも田植えのことを幾度か触れています。今回は恵那市串原のてらぼら農園にて写真を撮らせてもらいました。てらぼら農園では、少しでも雑草が生えないようにするための工夫を凝らしていると農園主の草平さんが教えてくれました。田んぼの土をトロトロにして7センチ以上の深水方法で生育します。そのために苗は一本一本が太く大きな苗で17センチもありました。代かきも3回行い、田んぼはかなりトロトロになったそうですが、そのトロトロ具合も農園主によるといろいろのようです。体験しないと言語化は難しいですね。
米というのは、わたしたち日本人にとってはエネルギーの源です。元気、気持ちの「気」という漢字の旧字は「氣」です。中には米という字が入っていることからも、私たちはお米を食べるとエネルギーをもらい元氣になるのだと思います。恵那山麓の郷土料理のからすみや、朴葉寿司、発酵食品の麹、味噌、お酒もお米なしでははじまりません。
私は幼いころから田園風景を見ながら過ごしてきたので、この田植えの作業がとりわけ珍しくはありません。でも大人になって農に向き合った今は、それぞれの作業ごとにいろんな思いが込められているのを感じます。代掻きのこと。苗や草や水のこと。土づくりのこと。
滝落としにもびくともせずに育つ苗は今年も豊作でありますように。
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