ヤッホー。二十四節気は春夏秋冬をさらに六つにわけたものです。四季の流れの中で作物と向かい合っていた旧暦と紐付いています。“誰一人取り残さない”といわれて何年か経ちますが、季節の移り変わりこそ誰も取り残されないような気がしています。 Kimono文化で感じた日本の「かっこいい」が故郷にはいっぱいあります。恵那山を崇拝の対象としていた旧恵那郡を『ゑな』と表現し、二十四節気とともにモノ・コト・ヒトと繋がり、令和の時代の結を綴ります。
恵那・中津川の雨水
空から降る雪が雨に変わり、氷が溶けて水になる、という時期。草木が芽生える頃で、農耕の準備を始める目安とされてきました。春一番が吹くのもこの頃です。
それでも本格的な春の訪れにはまだ遠く恵那・中津川では雪が舞うこともありますね。三寒四温を繰り返しながら、春に向かっていきます。
春が近づき始めたころに張る薄い氷のことを薄氷(うすらひ・うすらい)といいます。この時期の風情を感じる日本語です。そして足元には蕗の薹が出始めました。『春の皿には苦味を盛れ』という言葉をご存知でしょうか。 これは春には苦いものを食べるのがカラダに良いとする、古くからの言い伝えです。そういえば春の山菜って苦みがありますね。特に蕗の薹の苦みっておいしいです。旬の食材を食べるという楽しみが増える時期になりますね。
春霞 はるがすみ
春霞は、春の季節に立つかすみです。標高の高い山間部では、濃い春霞が発生しやすいといわれています。冬から春に向かうこの時期に、遠くの景色が見えにくくなった体験はありませんか。
厳寒期から少しずつ気温が上がると、空気中に多くの水蒸気が含まれるようになります。水蒸気は目に見えない気体ですが、上昇気流で上空に行けば冷えて小さな水の粒になります。この水の粒が空を白っぽくする自然現象です。
また、朝晩の気温がぐっと下がる秋に発生するのは霧といいます。霞と霧の違いってわかりますか?実はこれ同じ現象なんだそうです。古くから人々は、春のものは「霞」秋のものは「霧」と発生する時期によって呼び名を変え区別していたのです。
そして夜の霞は朧(おぼろ)と呼ばれます。
遠くの山や景色がほのかに現れては消え、山野の情景に趣が加わる頃です。こうした季節の瞬間を絵にしたり、言葉にしたり、また織りや染めで表現された着物や帯にしてきた先人達。伝統的季節美の概念に触れることができる暮らしは、多忙である現代人の癒しです。消えてしまうモノ、過ぎていく季節からはより美しく感じるのかもしれません。
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