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Interviewee

今年からトマト農家として活躍する和洋さんを訪ねました。前職は愛知県清須市で防水工事の仕事をされていました。結婚され、子どもが産まれたら田舎暮らしがしたいと思っていた和洋さん。2021年に移住を決め、農家を目指します。一年目は農家の手伝いを経験し、翌年上矢作で一年のトマト研修を経て、独立。恵那市明智町に土地を借り、十三棟のハウスでトマト作りに挑戦しています。初出荷となった一年目のトマト栽培についてお話を伺いました。

トマトの出来はいかがですか?

「今はすごく良い状態です。玉質も良くて照りも良いんですよ。少し前まではずっとこの状態じゃなくて、今年の収穫は駄目かもって家族にも話していたんです。それでも毎日あきらめずに管理したら良くなっていきました。ひたすら仕事して、ひたすら管理したらすごく良い状態になりました。」

この時期は最盛期ですよね?

「そうですね。朝は四時半から収穫をはじめます。それが済んだら芽かき、誘引をします。風通しが良くなるように葉っぱを取る作業もありますね。それで午後四時ぐらいにまた涼しくなったら収穫をします。」

トマトはつやつやしていて、素人目から見ても“照り”というのが分かりました。麗夏という品種特有のふっくらした丸みが本当に美しく、青々とした葉からはトマト独特の香りがします。トマトは真っすぐに植えられ、ぴんと誘引され、垂直と並行が保たれている。ハウスサイドには水はけのための溝が掘られており、トマトの畝はスコップでたてたそう。草が生えないようにマルチが敷き詰められ、防虫ネットも丁寧にかけられている。農業の経験が少しでもあると、この作業がどれだけ大変か分かります。独立されて一年目。一人でここまでできてしまう和洋さんのマンパワーを見ることができました。

すごく順調のように感じますが越えられないと思った壁はなかったのですか?

「それはやっぱり初めての圃場での栽培が分からない事だらけでしたね。温度も水はけも違うし、土地の癖がありますから。習ったようにやっても同じにはなりません。ネットで検索したら答えがあるわけでもないし、肥料のやり方も全く同じというわけにはいきません。それと梅雨の日光不足、水分過多やカビのハラハラもありますし、台風の影響もこの土地でどう影響するのか不安もあります。でもだからこそめちゃめちゃ一生懸命です。ぱっと見、野菜のトマトなんですけど、作り手の気持ちがすごく乗っていると思います。これからも僕の作るトマトがおいしかったといわれるように頑張りたい。」

夏の季語でもあるトマト。恵那市は夏秋トマトの産地として五十年の歴史があり、秋まで収穫できます。こうして移住・定住で恵那を選んでくれた人々のなりわいとしても選ばれているのがとても嬉しいです。豊かな山水に恵まれた土地で、土耕栽培されるトマト。赤く熟してから収穫されるトマトが食べられるのは地のものならではです。

身土不二(しんどふじ)という言葉を聞いたことがありますか。身と土は切り離せないという意味があります。これが転じて土地で採れたものや季節のものを食べると健康にいいという意味にもなっています。和洋さんの気持ちが乗ったトマトはこの土地の人の活力になると思いました。はじめて売れた時はガリガリ君食べながら涙が出たと聞きました。今年は和洋さんにとって特別な夏になりそうです。

販売は家族が営む明智駅前の「まっちゃっちゃ」前の無人販売にて。贈答用の注文も始まっています。

燕農園/https://www.instagram.com/p/CvE5CS7LG5N/?img_index=1

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