田舎で不登校児の親として暮らす

寄稿

オヤノバ@恵那山麓 太田 礼子

岩村に来て九回目の夏が終わろうとしています。田舎ゆえ、受け継いだ広大な土地の草刈りに夫は疲れ果て、小中学生は朝ネチネチ口喧嘩。プレ更年期の私はそれを見てイライラ。そう、家の中はカオス。わが家の夏の定番である川遊びに、今年は長女の足が遠のき、親離れを実感しています。

さて、四年生から登校しぶりが始まった次女は、今では「学校に行かない」暮らしがすっかり定着。当初私は、どうしたらいいか分からずパニックでした。病院は予約がとれず、受診できないまま数ヶ月。学校やスクールカウンセラーに相談しても、解決には至りませんでした。(解決ってなんやねん!と今は思いますが…)

その頃、「育て方が悪かった?」「甘やかしすぎ?」「この子が学校に行けないのは私のせい?」と自分を責めていました。責められているようにも感じて。今もふと、そう思うことがあります。でも、過去は変えられない。娘が「今日、学校に行かない」と言ったのは、突然ではなかったはず。がまんして、がまんして、ようやく言えた言葉なのに、私はなんとか登校させようと車に乗せたりしていました。

五年生の春、岩村にフリースクール「ひふみ学園」が開校し、通うように。子どもたちが安心して日々通える場所ができ、二年目の今は、「学び」も習慣化できるよう模索中です。ただ、にぎやかな子が入ってくると、次女は気疲れして登校を渋ることも。「無理させたら、娘がまた壊れちゃうかも」と親の私も慎重になります。

フリースクールが始まった頃、友人と「オヤノバ@恵那山麓」という親の会を立ち上げました。不登校や登校しぶりの子をもつ親が、モヤモヤを吐き出し、笑い、泣き、ちょっと安心できる場です。他者の考えに触れながら、それぞれ「わが家のやり方」を探っています。月一回ほどの活動ですが、よかったら遊びに来てください。

未来への不安は、正直今も消えません。子どもを「普通」に近づけようとせず、「答えは目の前の子どもの中にある」と向き合っていくことが、今の私の課題です。日々揺れながら、少しずつ成長していけたらいい。
それはきっと、子どもも、親も、同じなのだと思います。

♦編集後記

太田礼子さんはコロナ禍で転職した先で知り合いました。その時はハグマの編集長と自己紹介され、編集長ってどんなことをしているんだろうと思ったことを覚えています。

当時私は初めて恵那で働き、全く違う職種でもあったことから多くの人に助けられ、話を聞いていただき、失敗もリカバリーしてもらいました。太田礼子さんはその時にわざわざ時間を作ってくれたことを覚えています。何が分からないか分からないに私に手を差し伸べてくれて頼もしいなと思いました。

時が過ぎ、会議で会ったりすることはなくなりました。それでも困ったこと、分からないこと、特に子どものこと、学校のこと何でも力になってくれました。聞ける人がいること、頼れる人がいることは精神衛生上とても重要です。

太田礼子さんが今はオヤノバ@恵那山麓の活動に勤しんでいます。その活動は声に出せない誰かの力になるんではないかと思い、今回寄稿を頼みました。この夏、この地域ではそれぞれの夏休みを過ごしたと思います。みなさんいかがでしたか。そして太田礼子さんの夏はどんな夏だったのだろうか。岩村にきてくれて本当にありがたいと思っています。私も何かしら恩返しがしたいと思っています。本当にいつもありがとう。

【恵那山のふもとからの寄稿】は恵那、中津川に移住定住して下さった人々のなりわいに感謝したい、応援したいというおもいがあります。また、ここで産まれた人々、今は他の土地に根差し活躍している人々の紹介。スタートアップでこれからこんなことしていきたい!応援して欲しい!熱いおもいを伝える人々の場所としたいとスタートしました。 そんな私たちも応援して頂いています。この循環が大きくなってこの土地が豊かになりますように。次のクールの支援も始めました。シェアして頂けたら嬉しいです。

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