2024『小満』 | 桑の葉がわさわさと茂り、蚕の成長する時期へ

二十四節氣

小満 shouman

小満とは、あらゆる生命が満ち満ちていく時期のこと。 太陽の光を浴び、万物がすくすく成長しています。この時期は、新緑が鮮やかになり、風には爽やかな薫りが含まれることから、「薫風」とも表現されます。植物が急速に成長する力強い生命力を感じますね。恵那山麓では新茶の摘み取りが行われる頃で、新茶を楽しむことができるのも小満の時期の特徴です。

この時期は梅雨入り前の貴重な晴天が続くこともあり、外出するには絶好の機会。青葉のトンネルをくぐりながら、緑が増しているのを感じます。朴の葉も日に日に大きくなり、青もみじがさわさわと気持ちよさそうに揺れています。行ってみたかった場所へと足を運ぶのも良いのではないでしょうか。自然に満たされ、ここに有るということが感じられる季節だと思います。

蚕起食桑 かいこおきてくわをはむ

恵那山麓では養蚕・製糸産業が栄え、その歴史は深いものがあります。恵那山麓の良質な桑が育つ土壌で育った蚕が吐く糸は、世界に誇る繭となり、地域の人々の生活を支えてきました。人々の暮らしを支えていた蚕を「お蚕さん」などと呼び、「お日さま」や「お月さん」のように親しみを込めて敬称をつけています。一頭、二頭と数え、この風習はその価値と重要性を反映していると思います。

小満の時期は桑の葉も茂り、お蚕さんが桑の葉をたくさん食べて成長する頃です。お蚕さんのサワサワという食音は小雨のようといわれるようです。その繊細な生態への理解と尊敬の表れでしょう。絹の効能に関する研究は進んでおり、保湿や抗酸化作用など、数え切れないほどあります。例えば着物を纏うことでも、その効能を直接感じることができるのではないでしょうか。一着の着物を仕立てるのに必要な繭の数は、三千粒といわれ絹製品の価値を物語っています。

あらゆる生命が満ち満ちていく時期。かつてのなりわいがこの桑の葉からはじまっていたということを誇りに思い、この先の子ども達にも紡いでいけたらいいなと思っています。

ゑなの結

私たちは恵那山のふもとでフリーペーパーを発行している任意団体です。本当の意味で“誰一人取り残されない”のは季節の移り変わりではないでしょうか。また美しい自然から、地域の強みや魅力を教えられているのは、私たちだとも感じています。 心を豊かにするこの地域のひとときを二十四節氣とともに発信。そしてこの地のスタートアップから、インタビューや寄稿を通したコンテンツは、恵那山の頂きより「ヤッホー!」と叫ぶように、多くの人々に届いたらいいなと思っています。

We are a voluntary organization that publishes free papers at the foot of Mt. Ena. Isn’t it the change of seasons that truly means that no one is left behind? I also feel that we are the ones who are taught the strengths and charms of the region by the beautiful nature. We will transmit a moment of this region that enriches the mind with 24 seasons. And I hope that the content through interviews and contributions from startups in this area will reach as many people as possible like shouting “Yo-ho!” from the top of Mt. Ena.

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