二十四節氣『霜降』

ゑなの結
ヤッホー。日本の暦・二十四節気(にじゅうしせっき)とともに、恵那山麓からお届けしているfree paperです。春夏秋冬をさらに六つにわけ、二十四の季節を感じることは多忙な時代のスロウでヒトヤスミな時間。
そしてほとんどの人が農民だった時代のコミュニティは結といわれ、人々はお互いに労力を交換して助け合ってきた背景があります。恵那山を崇拝の対象としていた旧恵那郡を『ゑな』とし、令和の結って何だろう?と発信しています。

霜降

『霜降』とは霜が降りるころ。夜間の気温が低下し、朝方に霜が降りる時期へと向かいます。霜は植物にとっては大敵ですが、風景にとっては美しい装飾です。二十四節気の秋は、『白露』『寒露』『霜降』と続きます。白い露が寒い露になって、露が霜になる。そろそろ暖をとる準備がはじまります。

そしてこの時期はいろんな場所で柿の実がたわわに生っています。霜が降りる頃になると、柿の葉も紅葉してうつくしい朱色になり、これを照葉(てりは)といいます。紅葉した葉が太陽の光を浴びて光り輝く様子です。一枚一枚色やかたちが違うのが、より美しいと感じ、この時期だけのアートとなります。


照葉を何枚か集めて、友人にプレゼントをしたら大変喜ばれたことがあります。お料理の得意な友人は照葉をお肉の下に敷いてくれました。こんなにも喜んでくれるとは思わなかったのでその時のことをよく覚えています。自然の恵みをギフトにするのも素敵なことなのだと思いました。

地歌舞伎

岐阜県は芝居小屋が日本一多いことでも知られていますが、恵那・中津川においては文化財となっている芝居小屋が4軒もあり、保存会も15と多く、地歌舞伎の愛されている地域です。文化財のひとつ、中津川の「常盤座」に行ってきました。【第30回飛騨・美濃歌舞伎大会なかつ川2023】が開催されました。「常盤座」は明治期の劇場形式を残す、趣ある芝居小屋です。

江戸期から地域に伝わる祭りと結びついて奉納舞として上演されてきた背景があるようです。地歌舞伎も豊かな実りへの感謝だったのですね。恵那山麓の豊かな“おいしい” と結びついていることに新たな気付きとなりました。

こどもたちが顔師にお化粧をほどこされ、かつらを付け着物を着て、ふだんの言葉とは違うせりふを覚え、そして演じています。もちろん時代も違う物語。配役もノージェンダーで、自分の当たり前から抜け出して演じるという非日常から学ぶこと、感じることってたくさんあるのだろうなと思いました。

「地歌舞伎はいいねぇ。」と市外からいらっしゃったカメラマンがとなりでつぶやきます。地域の結や文化、歴史を色濃く感じられる芝居小屋と地歌舞伎がこれからも続くといいなと思いました。

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