有限会社 耕グループ(くわのみ)
私は福祉の仕事をなりわいとしています。「福祉」と聞くと皆さんはどんなイメージをもたれるでしょうか。つい最近、恵那市内の中学生に向けて話す機会をいいただき、そこでも同じ質問を投げかけてみました。中学生の答えで一番多かったのが「お年寄りの介護」。高齢化が進む地域で暮らす子ども達の回答としては当然の結果だと思う一方、福祉のイメージが固定化されているのでは・・と考えを巡らせた場面でした。
福祉の仕事は人がこの世に生を受けてから最期を迎えるまでの一生に寄り添う仕事であり、福祉は人々の暮らしそのものだと考えています。地域のなかで福祉の仕事を伝えていく一人として、中学生の答えを聞いて、福祉について中学生たちともっと深く話してみたい!とワクワクしたものです。
現在、私が働くのは恵那市岩村町飯羽間にある有限会社耕グループ。地域の方々からは社名よりも「くわのみさん」という愛称で呼んでいただくことが多い福祉事業所です。何故くわのみかと言うと、耕グループが営む各事業所の屋号や事業名にはどれにも「くわのみ」の名称がついており、事業所が建つ丘のうえ一帯が、以前は桑畑だったことに由来しているからです。
耕グループ(くわのみ)は2006年に認知症の方々が暮らす「グループホームくわのみ」の開設に始まり、今では恵那市(岩村町)と中津川市(手賀野)で9つの事業を展開している福祉と看護の会社です。7年前、代表を務める両親より声がかかり、3姉妹のなかで唯一福祉の仕事を志向していた私は、京都から生まれ育った岐阜県恵那市へ関西人の夫を連れてUターンしてきました。
耕グループ(くわのみ)の大きな特徴の一つに地域の方々とともに歩んでいることが挙げられます。設立から現在まで、地域の方々の知恵と志金(私たちは資金を志のお金と呼んでします)、大きな想いに支えられてきています。その恩を忘れることなく、耕グループ(くわのみ)は福祉や看護の事業所が“いざという時に行く場所”から何も無い時にも出入りできる“日常の場所”として開かれた存在になることを目指しています。
そんな耕グループ(くわのみ)に入職し、私が初めて任された仕事が耕作放棄地を活用した畑活動でした。京都ではひきこもり支援や、精神科のソーシャルワーカー(相談員)といった仕事を担ってきた私にとって、高齢者福祉を中心とした事業所で地域福祉の事業を担当することになり、しかも新規事業の開発を任されたということで、始めは少し戸惑いました。職員は介護職や看護職が中心のなかで、地域福祉を担うのは私一人でした。当時の私は一人畑作業をするなかで「これは福祉の仕事なのかな・・・」とよく自問自答したものです。笑
そんななか、畑活動を進めるうえで助けられたのが、何といって地域に住む畑名人の高齢者(くわのみボランティア)の方々でした。自宅での畑活動とは別に、耕グループ(くわのみ)の畑を耕す活動に集っていただくようになり、耕した畑は障がいやひきこもりのある若者達の居場所(くわのみ青年部)となっていきました。
やがて、それらの畑活動を足掛かりに、障がい者施設を創りたいという皆の夢まで出来ました・・・。そして今年、その夢が1つの大きな形となり実現します。耕グループ(くわのみ)の関連団体であるNPO法人くわのみが運営主体となり「ライフサポートくわみ」が開所されることとなりました。障がい者の方々の生活介護と就労継続支援B型の事業所です。
3月の内覧会には多くの地域の方々が訪れてくださいました。本当に嬉しい限りです。ライフサポートくわのみでは、併設する建物でカフェも開く予定です。カフェの名前は「里山カフェ コモン」。コモンには「共有」「共通」といった意味合いがあります。耕グループくわのみ、そしてNPO法人くわのみが建つ丘のうえ一体がかつては地域の人々にとって馴染みのある桑畑だったように、里山カフェ コモンもみんなの共有地、みんなの居場所となれるよう想いを込めて…。
福祉職には“ソーシャルアクション”という役割があります。ソーシャルアクションは無いものは生み出し、有るものはさらに広げていく視点です。19年前に認知症の方々のグループホームから始まった耕グループ(くわのみ)には、高齢者だけでなく障がい者、そして地域のママやパパ、子ども達も集うようになってきています。さらに、耕グループ(くわのみ)のなかで支援者として支える側も、介護職や看護職だけでなく地域に暮らす多様な職業や立場の方々で溢れています。
「福祉は暮らしそのもの」
福祉をなりわいとする私は、地域の方々とのつながりを糧に福祉を分野で分けることなくみんなが混ざり合える「みんなの居場所」を飯羽間の丘のうえに生み出し、耕し続けていきたいと願っています。みんなの居場所耕グループ(くわのみ)でお待ちしています。
wenayui は恵那、中津川に移住定住して下さった人々のなりわいに感謝したい、応援したいというおもいがあります。また、ここで産まれた人々、今は他の土地に根差し活躍している人々の紹介。スタートアップでこれからこんなことしていきたい!応援して欲しい!熱いおもいを伝える人々の場所としたいとスタートしました。 そんな私たちも応援して頂いています。この循環が大きくなってこの土地が豊かになりますように。次のクールの支援も始めました。シェアして頂けたら嬉しいです。
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