清明 seimei
清く明るいと書いて清明という節気がやってきました。万物がすがすがしく明るく美しい時期です。この頃は、草木が芽吹き、花が咲き始め、生きとし生けるものが輝き始める、まさに春爛漫の季節。太陽の光がやわらかく、鳥たちのさえずりが心地よい日々を過ごしています。そして恵那山麓では、種をおろし発芽した喜びを分かち合い、植物の成長の喜びを共有しています。土の匂いが濃くなり、大地が潤ってきました。
中津川市シデコブシの会
気温が二十四度になり、シデコブシの花が開花したとの知らせを受け、「岐阜県指定天然記念物岩屋堂の群生地」を訪れました。シデコブシは五百万年前からこの地に自生し、環境の変化に耐え抜いた植物だそうです。化石の中からシデコブシの花粉が見つかったことや、世界中でも東海地方の湧水湿地だけに自生していたということも、中津川シデコブシの会の会長、石原政雄さんと会員の皆さんに教えていただきました。
こちらでは遊歩道が整備され、シデコブシを間近で観察することができます。一番の特徴は花びらの数が多いことです。この日はまだ蕾も多かったのですが、花びらは十から三十枚と多いのも特徴です。ヒヨドリはそのやわらかい花弁の蜜をついばんでいました。そして、株立ちの姿は迫力があり、日本列島が成立した時代を彷彿とさせました。



清明の頃は、さまざまな花の蕾や開花と、散りゆく幽玄さ、そしてその後の新緑も楽しめる時期ではないでしょうか。日本には「移ろい」や「変化」に美を見出す情緒があると感じます。
太古の昔から水が湧いていたとされる恵那山麓の地。国や県の天然記念物に指定されているヒトツバタゴ、ハナノキ、シデコブシが見られるのはこの地域だけです。そして、岩屋堂の群生地からは恵那山も望めました。この大地の恵みは、これからも地域の矜持を育み、私たちの誇りとなる場所だと感じています。
ゑなの結とは
私たちは恵那山のふもとでフリーペーパーを発行している任意団体です。本当の意味で“誰一人取り残されない”のは季節の移り変わりではないでしょうか。また美しい自然から、地域の強みや魅力を教えられているのは、私たちだとも感じています。 心を豊かにするこの地域のひとときを二十四節氣とともに発信。そしてこの地のスタートアップから、インタビューや寄稿を通したコンテンツは、恵那山の頂きより「ヤッホー!」と叫ぶように、多くの人々に届いたらいいなと思っています。
We are a voluntary organization that publishes free papers at the foot of Mt. Ena. Isn't it the change of seasons that truly means that no one is left behind? I also feel that we are the ones who are taught the strengths and charms of the region by the beautiful nature. We will transmit a moment of this region that enriches the mind with 24 seasons. And I hope that the content through interviews and contributions from startups in this area will reach as many people as possible like shouting "Yo-ho!" from the top of Mt. Ena.
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