2024 『夏至』 ❘ 太陽の力と恵那山麓の米づくりが教えてくれるもの

二十四節氣

夏至 geshi

夏至は一年の中で最も昼が長く、夜が短い日。農作業の盛んな時期と重なり、恵那山麓でも太陽が最も高く昇る日として、自然の豊かさと生命の力を最大限に感じさせる特別な日となります。

世界中で夏至は、花冠をつくったり、薬草やハーブを摘んだり、焚火のまわりを踊ったり…などと特別な日として祝われます。イギリスのストーンヘンジは夏至の祭典で有名ですが、恵那山麓でも夏至の日に、日の出が石の間を照らす神秘的な光景が見ることができます

日本の夏至は梅雨の時期と、田植えの時期とも重なります。農作業が忙しく、また天候も不安定なため、大きな祭りは避けられてきたのかもしれません。それぞれの地域の文化や習慣と気候は、人々がどのように季節や自然環境と共生しているかを示しています。

田植え

夏至を迎える少し前、むかしながらの田植えを体験させてもらいました。恵那山麓ではいつも暮らしの中心には稲作がありました。日本の米づくりは、私たちのアイデンティティを確立しています。

 「米には七人の神様がいる」という言い伝えを知っていますか?それは太陽、雲、風、水、土、虫、人の七つと言われています。米ができるまでは八十八の手間があるとも言われていますが、これら七つは米作りに必要な自然の恵みです。

夏至を迎える太陽の光は稲の成長に欠かせません。 そして雲がその太陽光をほどよく遮り、直射日光からお米のひび割れを防ぎます。風が稲の病気を払います。山でろ過された豊富な水は先人が作った水路からあふれるばかり流れています。トロッとした土の香りは何と表現するのか。ワインソムリエにでもなった気分。十歳の彼がイモリを手に取りました。水が美しくないと生きられない虫たち。そして七人の神様の最後の「人」は、作り手の私たちも含まれています。 

酒、麹、醤油、味噌、など日本の伝統的な調味料にはお米が使われています。お祝いの餅、神事などもこのお米からすべてが始まっているのをあらためて感じました。体験すると気付きがあるものです。昔ながらの米づくり、ぜひ体験してみてください。

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