2024 『小暑』 | 恵那山麓のブドウが実を結び、ともに繁栄する

二十四節氣

小暑 shousho

小暑は、夏の暑さが少しずつ強まり、七夕の節句あたりから始まります。風は笹の葉をさらさら揺らし暑い風へと変わります。

七月七日は七夕であり、織姫星と彦星が年に一度だけ会うことができる特別な日とされています。願い事を書いた短冊を笹に吊るす風習が一般的ですが、恵那山麓では神社の夏詣と一緒に七夕祭りが開催されるところもあるようです。また七夕に食べるそうめんは、織り糸に見立てているそう。この地域の大事にしてきた糸の歴史ともつながっています。

おひさまワイン

小暑の時期にはブドウがたわわに実ると聞いて恵那峡ワイナリーへと足を運びました。ブドウは春に少しずつ芽吹き、害虫防除のための樹皮の粗皮削りなどいくつかの作業を経ています。この時期は太陽と雨の恵みの恩恵を受け、実が熟しはじめていました。

ブドウはあらゆる方向につるをのばして巻き付きながら生長することから“人を取り込み一緒に実を結ぶ”とされ、成功の象徴や縁起ものとされています。たくさんの実をつけ、子孫を残そうとする特徴によって「子孫繁栄」や「子宝に恵まれる」といった意味も。この時期の豊かさと、こうした言い伝えの親和性を感じています。

 恵那峡ワイナリーでは、人にも地球にもやさしい自然農法での農業を目指しています。実ったブドウが糖度を増していくと蜂害や鳥害が予想されます。ヴィンヤード(ぶどう畑)では、手作業でぶどうの房へ袋をかけ、虫を払う作業もこの時期の仕事です。雨が降ったらできないため、おひさまと一緒にする作業になります。

また、この土地にあった品種のブドウは順調に育ち、土、水や気候と合わない品種も分かってきたと聞きました。ワインの発酵も菌が働いてくれています。不思議なことが科学的に証明されたこの時代であっても、こうして目に見えない力で私たちは生かされていることに気付きます。これは身土不二(その土地のものを食べ、生活するのがよいという意味)の考え方につながっているのではないでしょうか。この土地で一緒に実を結び、そして繁栄していくことを願っています。

ゑなの結

私たちは恵那山のふもとでフリーペーパーを発行している任意団体です。本当の意味で“誰一人取り残されない”のは季節の移り変わりではないでしょうか。また美しい自然から、地域の強みや魅力を教えられているのは、私たちだとも感じています。 心を豊かにするこの地域のひとときを二十四節氣とともに発信。そしてこの地のスタートアップから、インタビューや寄稿を通したコンテンツは、恵那山の頂きより「ヤッホー!」と叫ぶように、多くの人々に届いたらいいなと思っています。

We are a voluntary organization that publishes free papers at the foot of Mt. Ena. Isn’t it the change of seasons that truly means that no one is left behind? I also feel that we are the ones who are taught the strengths and charms of the region by the beautiful nature. We will transmit a moment of this region that enriches the mind with 24 seasons. And I hope that the content through interviews and contributions from startups in this area will reach as many people as possible like shouting “Yo-ho!” from the top of Mt. Ena.

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