2024『秋分』豊かな恵みと循環をてらぼら農園にて感じる

二十四節氣

秋分 shu-bun

秋分の日は昼と夜の長さが同じになり、太陽が真東から昇って真西に沈みます。恵那山麓ではお彼岸にはお墓参りという風習が残っています。仏教では極楽浄土は西のかなたにあるとされるため、お彼岸は現世と極楽浄土が最も近くなる特別な日のひとつだと考えられています。

「暑さ寒さも彼岸まで」といい、ようやく過ごしやすくなりました。この日をさかいに夜が長くなっていきます。長月といわれるだけあって今月は中秋の名月をはじめ、更待月ふけまちづきなど月に名前が付けられています。

てらぼら農園の鶏たち

いろいろ調べてみるとこの日は昼夜の時間が等しくなる日だから卵を立てることができるという記事を見つけました。後でそれは迷信だと分かったのですが、恵那山麓ではいくつかの養鶏場もあり、おいしい卵を食べることができます。そこで鶏の写真を撮らせてもらおうと、串原のてらぼら農園を訪ねました。農薬や化学肥料を使わない自然な野菜やお米作りをしている農園です。この日は中秋の名月の前日で、玄関の前には“お月見泥棒”のための準備がされていました。

手作りの鶏小屋へ移動し、扉を開けると四羽の鶏たちは、勢いよく草を食べ、長い爪で土を掘って虫を探していました。白と茶が混ざった羽毛が美しく、おもわずそれに触れました。ゴトウもみじという日本の鶏だそうです。毎年脱穀の時に出るくず米がもったいないから鶏を飼い始めたと聞きました。鶏は幸せや運気を“とり”こむという語呂合わせがあります。日本神話では「神の使い」とされ縁起がよく、愛されています。実際に近くで見ると凛とした美しさを感じます。

写真を撮っていると天然記念物のカモシカもやってきました。カモシカが苗を食べてしまって今年はサツマイモが全滅したそうです。この“サツマイモ泥棒”は農園にとっては大打撃。自然との共存、循環を考えさせられます。

間もなくてらぼら農園では稲刈りが始まりそうです。穂が出そろった金色の田んぼで作業する姿を見て、お米を収穫したらまた鶏たちも新米をおいしく食べるのかなと思いました。豊かな実りの季節がやってきます。

私たちは恵那山のふもとでフリーペーパーを発行している任意団体です。本当の意味で“誰一人取り残されない”のは季節の移り変わりではないでしょうか。また美しい自然から、地域の強みや魅力を教えられているのは、私たちだとも感じています。 心を豊かにするこの地域のひとときを二十四節氣とともに発信。そしてこの地のスタートアップから、インタビューや寄稿を通したコンテンツは、恵那山の頂きより「ヤッホー!」と叫ぶように、多くの人々に届いたらいいなと思っています。

We are a voluntary organization that publishes free papers at the foot of Mt. Ena. Isn’t it the change of seasons that truly means that no one is left behind? I also feel that we are the ones who are taught the strengths and charms of the region by the beautiful nature. We will transmit a moment of this region that enriches the mind with 24 seasons. And I hope that the content through interviews and contributions from startups in this area will reach as many people as possible like shouting “Yo-ho!” from the top of Mt. Ena.

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