Tokyoからの移住 | 恵那市山岡町に本屋さんができました

寄稿

BOOKS&FARM ちいさな庭 大橋友美子

庭文庫さんから本屋のバトンを受け取りました。山岡町で本屋と小さな農園を営んでいます。農園といっても自給自足+α程度。3年前に移住とともに耕作放棄地の再生をはじめました。移住一年目で子どもが産まれ育児に翻弄されながら、ご近所の皆さんの支えもあってぼちぼち野菜が育つようになった今年の夏、住居の一部で本屋を始めました。そこで本と野菜を販売しています。

移住前は東京に住んでいました。大学入学とともに上京しそのまま就職、約10年働きました。毎日を忙しく過ごしながらも、どこか地に足のつかない生き方に「このままじゃよくないなぁ」と感じている頃、夫が農のある暮らしを提案してくれたのです。

その少し前に、とある映画でのセリフに心がざわついたことがありました。

『リトル・フォレスト』という漫画が原作で、小森と呼ばれる里山地域での生活を描いたものです。都会に出てからUターンで戻ってきた青年のセリフでした。少し引用させていただきます。

自分自身の体でさ 実際にやった事と その中で自分が感じた事考えた事 自分の責任で話せる事ってそれだけだろう? そういう事をたくさん持ってる人を尊敬するだろ 信用もする

(引用元:『リトル・フォレスト 1巻』五十嵐大介 著/講談社)

私の「このままじゃいけない気がする」感覚は、まさにこれでした。自分自身の言葉として話せることの少なさに、ずっと不安を感じていたのです。

恵那に暮らすようになってから、自分の言葉で話をしてくださる方々にたくさん出会います。それでいて皆さんとても謙虚。自分自身の体で経験し考えた事だからこそ、なのかもしれません。

朝陽の強い光、夜の暗闇と静寂、土の温かさや湿り気、炎の色、雨の匂い、虫の声、鳥の声・・それらを知ったような、一方でまだまだ知らないような感覚でいます。

自分の言葉で語れる日がくるまで、この毎日を身体で体感し、本の言葉を拾うのだと思います。


編集後記

二ヵ月に渡り、庭文庫さんからいろんなことを教わり、選書もしてもらい、この流れからいろんな繋がりを経てBOOKS&FARM ちいさな庭 さんへ。連絡してくれたのは、てらぼら農園さんです。私は本屋さんや図書館を「英知の館」と表現をしていますが皆さんはいかがですか。大橋さんはくすりと笑っていました。

大橋さんは、デザイナーと農のなりわいを持ちながら、書店を開業されました。東京で十年過ごされた、何ともいえない洗練された雰囲気、所作と美しい日本語。そんな大橋さんがこの地域を選んでくれたことが嬉しくなりました。私が訪れた少し前に、庭文庫さん御夫婦がいらしていたようです。

引用された映画ですが、春夏秋冬あるので、春から観ると良いと教えてくれました。私が二十四節気で発行していることと、自然に触れ合うように感じました。

フリーペーパーをお届けした日には、大橋さんの作ったネギを購入しました。甘く優しい味でした。ナウシカの本も購入しました。そして美しいフォントをつくる方の紹介もして頂きました。お楽しみに。

【恵那のふもとからの寄稿】は恵那、中津川に移住定住して下さった人々のなりわいに感謝したい、応援したいというおもいがあります。また、ここで産まれた人々、今は他の土地に根差し活躍している人々の紹介。スタートアップでこれからこんなことしていきたい!応援して欲しい!熱いおもいを伝える人々の場所としたいとスタートしました。 そんな私たちも応援して頂いています。この循環が大きくなってこの土地が豊かになりますように。次のクールの支援も始めました。シェアして頂けたら嬉しいです。

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